この世界の片隅に
ほんわかした絵柄と天然な性格のすずさんにのんさんの声が合ってましたね~
周作さん役の細谷さんは広島出身ですし、自然な演技はさすがです。
題材は戦争時の広島ということで、私たちはみな何が起こるかはわかっているわけですが、戦争の悲惨さを訴える目的の映画ではなく、すずさんの人生を追っている映画なのでとても観やすかったです。
戦争時でも毎日を暗く生きていたわけではなく、人はその環境の中で力強く生きていけるのだと感じました。
配給が少なくなってきても、すずさんが楽しそうにお料理をするシーンはとても印象に残りますね。
この映画が暗くならないのは、すずさんの前向きさや可愛らしいさのおかげでしょう。
すずさんが哲の課題の絵を描くシーンなどはすずさんの絵になる演出が素敵でした。
あの爆発に巻き込まれるシーンも花火がちかちかするような白黒の絵の演出が効いてました。
原作は未読なのですが、りんさんにまつわるエピソードは映画ではほとんどカットされていたようで・・・
周作さんの”選ばなかった過去”についての台詞や、すずさんの苦悩は原作を読むと補完できそうですね。
2つのエンドロールも見逃せない内容になっていて、最初から最後までじっくり視聴しました。
それでも見返したい部分が結構あり、何回も繰り返して観たい映画です。
★★★★☆